
もう少し詳しく書くと、
- タンパク質(プロテイン):アミノ酸が100個以上、結合しているもの
- ポリペプチド:アミノ酸が100個未満、結合しているもの
- オリゴペプチド:アミノ酸が10個以下、結合しているもの
- トリペプチド:アミノ酸が3個、結合したもの
- ジペプチド:アミノ酸が2個、結合したもの
- アミノ酸:単体(フリーフォーム)のアミノ酸
高分子で構成されるタンパク質は、結果的に胃や十二指腸、小腸で最小単位のアミノ酸にまで分解、吸収されるため、時間がかかります。消化過程が多いため、消化・吸収まで3時間以上かかると言われています。
一方、アミノ酸やペプチド(トリペプチド・ジペプチド)は、吸収されやすい分子レベルまで分解されているため、当然のことながら消化・吸収は早いです。時間にして30分もあれば、かなり吸収されているはずです。
では、アミノ酸とペプチドではどちらが早いか、わかりますか?
そんなん、当然アミノ酸でしょ?最小単位にまで分解されているからね!
と思うのが普通です。ところがどっこい、ペプチドのほうが吸収が早いということがわかってきています。
アミノ酸を吸収する小腸には、レセプターといわれる受容器があります。これがアミノ酸を取り込む入り口になるわけですが、このレセプター、アミノ酸単体用とペプチド用(アミノ酸2個〜3個)があり、ペプチド用のほうが数が多いそうなんです。
もうちょっとわかり易く言うと、テーマパークなどの入り口にある回転式の改札(レセプター)があり、この改札に1度に通れるものが、1人用と2〜3人用があると思って貰えれば良いでしょうか。そして2〜3人用の改札の数が多い。
こうなると、1人用に比べて2〜3人用は数倍の早さで中に入れる(吸収される)ということになります。
ムム、やるじゃん!ペプチド!
ただし、アミノ酸に比べて劇的に早いというよりは、同等かそれ以上の早さ、くらいに考えてもらったほうが良いかも知れません。
また、こう書くとタンパク質から分解されていないプロテインは有効でないように思われますが、消化に時間がかかることで血中アミノ酸レベルを長時間保てるし、消化能力を維持・向上できるという利点があります。
プロテイン・ペプチド・アミノ酸のそれぞれの特徴を次に示します。
こんな感じです。
プロテイン:消化吸収に時間がかかる・血中アミノ酸レベルを長時間保持・価格が安い・味が良い・アミノ酸全般をカバー
アミノペプチド系:消化吸収が一番早い・アレルギーを起こしにくい・価格はプロテインよりは高いがアミノ酸より安い・味が良い・アミノ酸全般をカバー
アミノ酸:消化吸収が早い・アレルギーを起こしにくい・混ざりにくい・価格が高い・味は良くない・特定のアミノ酸補給に優れる
やはり、加工過程が増えるアミノ酸系はちょっと高価ですね。用途に応じて、それぞれをうまく活用するのが良いかと思います。
※プロテインについては「痛風の人はプロテインを飲んでもOK?」も参照してください。